高次生命情報に基づいた環境技術創製の研究拠点

バイオスティミュラント(Biostimulant: BS）は植物栽培環境に処理することで、良好な生理状態を植物にもたらす様々な物質や微生物、あるいはそれらの混合資材とされ、近年注目されている。しかし、BS の作用機作に関しては明瞭で無い場合が多く、その効果を科学的に評価・数値化することは困難であり、有力なBS 候補の計画的な探索・評価には革新的なブレークスルーが必要であると考えられている。
本研究拠点ではこれまで申請者らが先行プロジェクト等で培ってきた生物発光を利用した遺伝子発現モニタリング技術をより一層高度化し、新規なBS の創製に応用することを企図している。具体的には、望ましいBS 特性を有する化合物を合理的に効率よく選抜し、特徴付けが可能な手法を確立し、併せて圃場あるいは植物工場レベルにおける効果とその作用機作に関する知見を得る。さらに、ユニークな有機合成技術を駆使し、望ましいBS 活性を有する多くの低分子化合物を合成し、それらの活性に関する知見を集積する。化合物の計画的デザインによる新規化合物の創製につなげ，最終的に「環境ストレス耐性の付与、高付加価値な植物生産に寄与する新しいタイプの次世代型バイオスティミュラントを創製」することが目的である。